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リレーの基礎知識 (その3)

この「双安定リレー」はa接点側とb接点側の両方で安定させられるリレーです。つまりスイッチをオフにしても、元の状態に戻らずに動作状態を持続することができるリレーなのです。
これは「半硬質磁性材料(*1)」と呼ばれる永久磁石に似た特性を持っている材料の残留磁束を利用したものです。鉄心に2つのコイルを巻きつける方式が一般的です。
それでは実際に見てみましょう。
(*1) 半硬質磁性材料は保磁力のある材質で、永久磁石に使われる硬質磁性材料よりも少ない力で着磁や減磁をすることができます。

<双安定リレーのしくみ>
休止状態 動作状態1
<1.休止状態>
基本的には先程の単安定リレーと同じですが、コイルが2個ついているのと、電磁石などの材質が半硬質磁性材料に変わっている点が違います。この状態は休止状態で常閉のb接点側が有効です(リセット)。それではコイルに電流を流してみましょう。

<2.動作状態1>
先程の単安定リレーと同じくコイルに電流を流すと、鉄片が引き寄せられて可動接点が動き、a接点側が有効になります(セット)。

動作状態2 復帰状態
<3.動作状態2>
先程の単安定リレーでは電流を止めると復帰状態に戻りましたが、双安定リレーでは電流を止めても復帰状態には戻らずに動作状態を持続します。これは電磁石の材質に使われた半硬質磁性材料の残留磁束によるものです。
<4.復帰状態>
先程電流を流したコイル1と逆巻きのコイル2に電流を流します。すると残留磁束が減少しバネの力で、鉄片が動きb側接点に切り替わります。このようにして休止状態に復帰します。休止状態になると残留磁束はなくなっていきます。

この様に休止状態と動作状態を切り替えた後、電流が流れなくても反転の入力があるまでその状態を維持する構造のものが双安定リレーなのです。他にも機械的に状態を保持させるタイプや、1個のコイルで電流を印加するタイプ(セット入力と逆極性を入力するタイプ)のものなどもあります。


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